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2005年06月04日

貧しさが引き起こす惨事

私が見る限りではベトナムも相当変わった。
10年も経たない間に人々は豊かになり、貧しい国というイメージをあまり感じなくなった。
街はきれいになり、スラム街は撤去されそこの住民にはアパートが提供さてた。
街を徘徊する障害を持った乞食は保護され施設へと送られた。
若者は数千ドルもするバイクに乗り、携帯電話は普通になっている。
子を持つ親達は、子供を良い学校に入れるため多額の金を注ぎ込み、小金持ちの間では海外留学させるのがステータスになっている。
スーパーマーケットでは5,000円以上の清算をあたりまえにする人の群れ。

しかし、それは街の表面の顔に過ぎないことと思わせる事件が家の近くで起こった。
  
(食事中や前などの方はこの先は読まない事をお勧めします。)

先月の事だが、家の近くの外資系工場前で悲惨な交通事故が起こった。
土砂を積んだトラックが女子工員を跳ね飛ばしたのだが、ここまでは普通の交通事故に過ぎない。
跳ねられた女性は道路に倒れ込み、周りに助けを求めていた。
運転手はその女性が死んでいないと分かると、トラックをバックさせ、その女性を轢殺してしまった。 土砂を積んだトラックに轢かれたらどうなるかはここではこれ以上書けないので控えて起きます。

周りの人達もあっけに取られどうする事も出来なかったようだ。
その通りは以外と人通りが多く、数十人が目撃している中での出来事であった。
運転手はがとっさに思ったことは「被害者が病院にでも入院したら多額の支払いを強いられてしまう」という恐れである。
貧しい国ではよく起こる事件である。
死んだ時の慰謝料が非常に安いのだ。それに比べ入院費は馬鹿高い。

被害者は地方から出稼ぎに来た工員である。
警察は周りの証言から意図的に轢殺された事を知っている。
しかし、被害者の家族はそんな事など知らないだろう。運悪く事故に遭ったのだとしか考えていないのだと思う。
このような事件が起こると警察は「待ってました!」とばかりに、加害者に法外な金銭を要求いて罪隠しをするのだ。ここで幾ら払われたかは知らないが、汚い取引が実際に行なわれている。
現に加害者は刑務所行きを免れたのだ。

そして情けないのが被害者の家族だ。この事故で支払われた慰謝料はたったの35万円なのだ。
35万円で直ぐに和解したようだ。
意図的に殺されたことを家族が知っているかどうかは分からないが、もし分かっていたとしても、どうする事も出来ないだろう。金が無ければ裁判所に訴える事も出来ない。
たとえ訴えたとしても、被害者は必死にになって警察や裁判所所員に新たな金をばら撒くからだ。

ベトナムには優良な弁護士も居ない。 弁護士といわれている人達の殆どは、司法書士ていどのレベルでしかなくただの事務屋である。金だけ貰って書類を作るだけの事しか出来ない。
優良と云われている弁護士も中には居るが、これまた、警察や裁判所と攣るんで「*****ドル出せば解決してあげますよ」の世界である。
弁護士連中もその社会構造を知っているので、「真実をもとに実力で勝負」なんて事は馬鹿のやる事だと考えているのだ。

そんなこんなで貧乏人の命は安いのである。
地方では現金収入が殆ど無いので35万円は多額に感じるのも事実のようである。
貧しい村の人に取っては始めて手にする大金なのかもしれない。
だからこそ直ぐに和解したのだろう。

しかしその状況がある限り、また次ぎの犠牲者が出るのだろう。

大分前に聞いた話しだが、貧しさのあまりに自分の子供を走ってくる車の前に突き飛ばし殺して、慰謝料を取った母親がいた事件などもあった。

貧しさが引き起こす惨事がまだまだ起こっているこの事実。
表面だけ見ていてはベトナムの本質は掴めないことに改めて気付いた事件であった。
posted by ぎのざ at 14:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ベトナムの話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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